1964年の東海道新幹線の開業により、名古屋〜大阪間の需要が大幅に低迷しました。
その後、国鉄の度重なる運賃値上げにより徐々に需要が増加してきたので、次代を担うべき新型車両の開発が急がれました。
2年の歳月をかけて開発された特急車両。名阪ノンストップ特急専用のシンボルカーとして従来の特急車両とは大きく異なるデザインで
誕生し、先頭部は43度の角度に円柱を傾斜させた流線形とし、正面窓は大型の曲面ガラスで構成。
側面窓は連続タイプで枠、間柱を黒とすることで引き締め、全体の塗装はクリスタルホワイトを基調とし、オレンジのラインを配色しました。
制御装置は三菱製の抵抗制御を採用し、全電動車方式とし、名古屋寄り先頭車は特別席のデラックスシート車となっている。
座席のシー間隔は、レギュラー、デラックスシート車とも1050mmです。フットレスト(足置き)も付いています。
その後に新型特急車両(21020系
)との設備の差がやや目立つようになり、2003年から2年かけて順次リニューアルを実施。
アーバンライナーplusとして再登場し、座席の大幅改良、仕切り部への液晶モニター設置、全車禁煙化と喫煙コーナーの設置、
車椅子対応トイレの設置などが行われ、塗装は窓周りのオレンジの細線が省略されるなど細部が変更されています。
最高速度も120kmから130kmに引上げられています。デラックスシート車には、全席電源コンセントが設置されました。
2020年3月のダイヤ改正から、名阪甲特急が80000系
ひのとりに置換わり、名阪乙特急への配置転換が2021年3月で完了。
現在は、名古屋〜松阪・鳥羽間の特急列車にも充当されています。
名張始発(05:41発)の名古屋行き特急も新設されました。
近鉄の名阪特急車両は、この21000系から21020系、80000系の登場時、鉄道友の会よりブルーリボン賞を受賞しており
近鉄の特急車両の品質の高さが際立っています。