高野線の山岳線区直通特急「こうや」に使用していた20000系が製造後20年以上を経過し老朽化したため、
同系の代替を目的として、1984年4月日から5月20日まで高野山で弘法大師御入定1150年御遠忌大法会が開催されるのを前に、
東急車輛で4両編成2本(8両)が製造されました。
車体と車内について:車体は17mの普通鋼製、前面は「く」の字形に傾斜した非貫通型とし、前面窓は大形曲面ガラスと
小形曲面ガラスの組合せとして、前面展望を良くしています。側面は各車両に1か所ずつ折り戸を配置し、側面の客室部分の窓は
高さ790mm×幅1750mmの、製造当時としては国内最大級の大形固定窓となっています。
塗装は高野線特急共通のアイボリーホワイトとワインレッドのツートンカラーで、地色が20000系のクリーム色から変更。
また1999年の更新の際に、両先頭車の前頭部寄りの側面腰板部に「NANKAI」のロゴが追加されています。
11000系
と同様の連続窓となっています。客扉は折戸式を採用し、各車とも車端部の片側1か所に配置されています。
客室はデッキを介して外部と仕切られ、特急形車両としての居住性を満たしています。デッキ部分にはゴミ箱のほか、
中間車両にはサービスコーナーがあり売店営業をしていました。
座席は、2−2列の回転リクライニングシートで、シート間隔1.0m、座席幅は0.46mです。
背面テーブル、網ポケットなどがあり、座席は自動回転装置付きです。
製造は東急車輛です。
1999年の更新で31000系
や11000系と同様の室内に改良され、サービスコーナーが撤去され、
自動販売機2台を設置したフリースペースとなっています。
現在、「こうや」と「りんかん」で運転されています。