開発の経緯など:1970年代後半の気動車特急は、80系気動車で運転されており、本州からの転入車両も多く寒冷地用としてはかなり
無理をしての運用が続いておりました。電車特急についても485系
(1500番台)の781系への置換えが決定し、気動車特急についても
車内設備の改善も併行して誕生したのが、このキハ183系です。1979年に試作編成12両が製造され、1980年〜1992年に157両が
製造されました。国鉄からJR北海道に移管された後も生産が続けられました。
量産基本形式は1981〜1982年に89両、500・1500番台は1986年に36両、550・1550番台は1988〜1992年に32両。
車両の特徴:先頭車両は485系1500番台に似た貫通タイプで貫通扉はなく少し傾斜のついたスラントノーズで、力強い印象です。
後期生産の先頭車(500番台)は、185系
に似た丸みある外観です。普通車車内は940mmのシート間隔でリクライニングシートを採用、
グリーン車の車内は1、160mmのシート間隔で、2−2列の配列でした。(当時のグリーン車と同様)
それまでの特急列車(80系)に比べ、快適な旅を実現しました。さらに、小ぶりながら絵入りトレインマークも付いています。
車両の種類:普通車のキハ183、182、184、グリーン車のキロ182などで構成され、需要に応じて柔軟な編成を組むことが
可能になっています。JR北海道になってから、客室のグレードアップや車体事態の改造も頻繁に実施されています。
普通車は、シート間隔を1、040mmに拡大した指定席座席で電源コンセント完備。背面テーブルも設置。
グリーン車は1−2列シートで、シート間隔を1、180mmに拡大
現在運転の列車:「オホーツク・大雪」の2種類の特急列車を運用しています。(リゾート列車は除く)
「オホーツク」:札幌〜網走、「大雪」:旭川〜網走
リゾート列車への改造
1988年:「ニセコエクスプレス」(3両編成:2017年に廃車)、1989年:「クリスタルエクスプレス」(4両編成:2019年廃車)
1992年:「ノースレインボーエクスプレス」(5両編成:現在も運用中)
製造は新潟鐵工所・富士重工業・日立製作所の3社です。現在、14両が苗穂運転所に配置されています。
JR九州の183系1000番台
は、1988〜1989年に500番台の基本構造を踏襲して製造されました。
現在、4両が熊本車両センターに配置され、熊本〜別府間の「あそぼーい!」で運用されています。