開発の経緯:NSE車(3100形)の置換えと、変化した利用実態に対応した車両を製作する方針で、設計では、小田急や車両メーカー
のほかに小田急百貨店のインテリアデザイナーや外部のグラフィックデザイナーも交えて検討が行なわれました。
検討過程ではボギー車の方が定員増が可能であると判断され、連接構造は採用せず、分割・併合を行なう際に通り抜け可能な貫通路を
設けることにしました。この構造では前面展望席の設置は困難であることや、乗務員交代が短時間で可能なことを考慮し、
前面展望席は採用されないことになりました。
こうして、それまでの特急ロマンスカーとは一線を画す特急車両として 登場したのが30000形(EXE)でした。
1996年3月から営業運転が開始されました。
車体は屋根板や床板にステンレス鋼を使用、それ以外の箇所は普通鋼製です。
普通座席は、1000mmのシート間隔で、各座席の肘掛には収納式テーブルを設置、一斉回転機構は電動式が採用されました。
客室の壁面はグレー系統でまとめ、出入台や売店部分は客室とは異なる青系統の配色としました。
客室内の照明は電球色の蛍光灯を使用した間接照明で、蛍光灯のカバーに丸穴を開けることでアクセントとしています。
荷物棚下には蛍光灯の直接照明を設置、光の拡散を抑えるため集光板を備えています。客室と出入台の間にある仕切り扉は、
車椅子対応座席のある3号車・5号車・8号車は900mm幅、それ以外の箇所は700mm幅としています。
2017年から随時、リニューアル工事が実施されています。下記はその一例です。
@側面行先表示器をフルカラーLEDのものに変更。前面の列車愛称表示器を撤去
A点字案内・ドアチャイム・ドアランプの新設
B腰掛は表地がホワイトとブルーの2色を配置したものに変更
現在運転されている列車は下記です。
「あさぎり」、「ホームウェイ」など。小田急路線のほとんどが運用に入っています。
MSE
、VSE
、GSE
のロマンスカーに劣らぬ居住性です。ブルーリボン賞は受賞できませんでしたが・・・
製造は、日本車輛と川崎重工業です。